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そして、次の日

by 郷木 鳥夢

 次の朝は、突き出た骨の硬い所で、こつこつ軒をノックするような、雨だれの音に起こされました。

 部屋は天井まで、薄暗い水色の光でいっぱいで、明け始めた雨降りの朝にいるわたしは、水底へ投げ入れられた陶器のように、床へ沈んで、手足はぴくりとも動きません。

 思い出したようにノックする、そんな雨音が続いています。

 ぐっと曲げた人差し指と中指の硬いところで、誰かが、こつん、こつ、とノックする、雨だれの音が続いています。

 出窓の屋根のところを、こつ、こつんと叩く、雨だれの音があるんです。

 くり返すその音は、時々、不規則になって、ふいに途切れたままになり、ああもうこれで次はないのかもしれないな、なんて思うと、また、こつん、と、それは何かの続きなのか、それともまた最初からやり直されているのか、ともかく硬い雨だれの音は、ふらっと戻ってくるのです。

 わたしは薄暗い水色でいっぱいの、部屋の底に沈んだまま、長いこと考えごとをしていました。

「これまでもこれからも、

 世界のどこかは、

 いつも、

 いつも雨です」

 突き出た骨の硬い所で、軒を小突くように雨だれの音が続くのですが、明けていく雨の朝を前にして、わたしの手足は、水底に沈んだ陶器のように横たわって、相変わらずぴくりとも動く様子がありません。

 薄暗い水色でいっぱいの、この部屋の底に沈んだまま、わたしは身じろぐことなく、考えを続けるでしょう。

 水の底に沈んでいる、白い陶器のように、どこかから外れて、沈んだままで、水面を見上げて。

「それまでもそれからも、

 世界のどこは、

 いつも、

 いつも晴れて、」

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